徳王子のいえ-内観-

徳王子のいえ-内観-
徳王子のいえ-内観-
徳王子のいえ-内観-
徳王子のいえ-内観-
徳王子のいえ-内観-
徳王子のいえ-内観-
徳王子のいえ-内観-
徳王子のいえ-内観-
徳王子のいえ-内観-

みかん畑に囲まれた穏やかな風景の中に、この家はあります。
大きく開けた敷地に対して、内部は整った四角形の構成としました。
中心には、240角の八角柱を一本通しています。この柱が家の軸となり、空間の重心を静かに受け止めています。
屋根は、放射状に広がる垂木によって支えられています。傘の骨のように広がるこの架構は、「やじろべえ」の原理を応用しています。
屋根の重さの中心を低くすることで、無理なく安定する構造としています。

垂木は一定のリズムで並び、天井にやわらかな陰影をつくります。
その繰り返しが視線を奥へ導き、空間に広がりを与えます。
構造を隠さず、そのまま見せることで、木の温もりと安心感が生まれます。

リビングとダイニングは一体の空間ですが、床の高さを150mmずらしています。
ダイニングに座ったときと、リビングでくつろいだときの目線が自然に揃うように設計しています。
わずかな段差が、それぞれの居場所をやさしく分けています。

リビング出隅は柱を無くし、庭を望むフレームとしました。光を感じ、外を眺め、時間を過ごすための場所です。開口部を開け放てば、庭と室内はゆるやかにつながります。ただし完全には溶け合いません。家の内側に守られている感覚を残しながら、風景を取り込む構成としています。

2階は屋根の形をそのまま活かした空間です。両側から迫る垂木のラインが中央へ集まり、上から落ちる光が白い天井にやわらかく広がります。どこかツリーハウスのような、少し特別な場所です。

杉やヒノキ、京壁、漆喰、土佐和紙。自然素材は光を受け止め、時間とともに表情を変えます。構造と仕上げを分けるのではなく、木の架構そのものが空間の表情になります。

この家は、強さを誇示する建築ではありません。
重心を下げ、光を受け止め、静かに落ち着く家です。
構造と暮らしがひとつになることを目指した住まいです。

所在地:高知県香南市
構造:木造2階建て
延床面積122.96 ㎡
竣工:2026年1月
施工:門脇建設
用途:住宅